和田誠展で文春壁とにらめっこしてきた
東京オペラシティで開催中の「和田誠展」見てきました。平日にオープン時間ぴったりの11時に現地に着いたのだけれど、20分ほど行列に並んでの入場でした。
和田誠といえば、週刊文春の静謐な表紙で、色数抑えめの映画ポスターで、ユーモラスに特徴を捉えた似顔絵で、最小限の線で描かれた動物イラストで、星新一の装丁で、手書き袋文字フォントで、平野レミの夫。
だけれど、それだけじゃ全然無かった。この和田誠展は、彼の幼少期から学生自体から社会人になってからのカテゴリもさまざまな膨大な作品が紹介されてました。
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▼幼少期の日記。この頃から絵が、とか、着眼点が、とか言いたいところだけれど、それよりも80年近く前のものが残っていることがすごい。我が身を振り返れば、自分のはおろかむすめの作品も最小限しか残せてません。
▼高校の似顔絵時間割表。最小限の線で似せる技術は天下一品。文字やデザインも完璧。
▼ 視界一面を覆う文春壁。一望できる場所にベンチがあったので文春表紙としばらくにらめっこしてた。文春と言えばセンテンススプリング。この無言の表紙の中身で人生大きく変わった人が多かろうなとか、中身と表紙の関連性はあったのだろうかとか、中身について表紙に一言も書かないストロングスタイルすごいなとか、ぼんやり考えてた。
▼和田誠と言えば書き文字。ロゴタイプも素敵でした。ちょうど時代が一周回ってきたからか、ほどよいレトロさ。
▼1994年の筒井康隆断筆祭ポスター。当時を知らないので「94年に断筆?今も書いてるじゃん。どういうことなの?」ってググっちゃったわ。こういう歴史が垣間見えるのも、和田誠展の良いところ。
▼妻の平野レミさんのためのメガネ。この近くにあった家族との作品群も素敵。
他にも、他にも広告会社時代の作品も良かったです。特に、吉田秋生『fly boy, in the sky』みたいな静かでウィットに富んだカメラの広告。
和田誠展、東京で開催されるのは、12月19日までだそう。その後、熊本・新潟・北九州・愛知と巡回展になるそうです。