「おおかみこどもの雨と雪」を見て、男性蔑視な自分に落ち込むの巻
先日会社帰りに新宿ピカデリーに飛び込んで見てきた。
頭が痛くなるほど泣いた。しばらくは見返したくない。苦しい。
以下ネタバレな感想(ほぼ愚痴)をいくつかぶちまけて、心を落ち着けてみたい。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 全体としてわたしのコンプレックスの裏返しである男性蔑視を助長させてしまう描写が多く、非常に疲れた。 中二病的な男性蔑視とかは、もう大人だし卒業したいしだいぶ薄れたはずなのに、この映画見て「やっぱり男って無責任で本当にダメだ。」と十把一絡げにしてしまいそうで、それに対する自己嫌悪で気持ち悪い。自分勝手に生きる男の後始末を頑張るのは女ですよねー的な。
父親って......
まず、父親たるおおかみおとこの無責任な死にざまと無計画な子作りが意味わからん。
一人めはともかく、年子で二人めを生むのは計画的だったのだろうか。
二人の親になったなら行動に気をつけろよ。死んだ理由は明かされてないけれど、鳥の羽にまみれていたことを考えると、「妻子のために狩を」に見えるけれど、それは命をかけてやることか?命かけて狩りとか、二児の父親のやるべきことじゃない。人間として人間世界で生活してきたし、人間の親になろうとしてるんじゃないの?
物語の最後、父親は雨の代弁者として雨の自立の時だけ夢枕に立つ。でも、これって雨が自分で花に言うべきだ。それに今まで出てこないお前は何なんだ。
父性なんていらないんだってことをこの映画は言っているように見えて重かった。父親は大事な時だけ出てくればいいと。普段は母親が全責任をもって頑張れと。
弟って......
そして、雨。お前は自分の考えを自分の言葉で説明すべきだ。なんで男の子って何にも言わないで勝手な行動してその後のフォローもしないの?一人で生まれて一人で育ったとでも思ってんの?
せめて、独立後に遠吠えが聞こえるなんかじゃなく、たまに人間の姿で帰ってくる描写があって欲しかった。それだけで、母としての姉としてのわたしはだいぶ心が楽になれたのに。だって、突然いなくなって、あんなにおせっかいな近所にどう説明するの?雨は死んだって言うの?たまにでも顔見せてくれれば、普段は親戚の家にいるだのなんだの、言い訳できるのに。
菅原文太
ちゃんと関与する漢、カッコイイんじゃないでしょうか!!!
花って......
まあ、好きな男なら受け入れるよね。でもその結果、辞めることになる大学は何のために苦労して行っていたのだろうね。
頼れる人も作らず、自己責任なリスクの高い出産と育児。そのリスクの代償は子供の健康や命って、それでいいのかと、父母両方に問いたい。※主たる育児の担い手が母親だとしても、育児の選択責任を母親一人に負わすのは大反対なので花一人にではなく、二人に問いたい。片方死んでるが。
二人がおおかみこどもだってことは、あんなにも絶対に隠さないといけないことなのかな。嘘を付き続けごまかし続ける人生辛いだろうな。親も子も。
強いて言うならもう少し、子供を制す強い母の姿も見たかったな。子供に終始甘い。(人のこと言えない。)
あと、親の役割はこどもを独立させることだってわかっているけれど、こどもが本当に独立してどっかにいってしまうのは辛い。いつまでも庇護下に置いておきたい、いっしょにいたい、いろんなことをしてあげたい。でも、ちゃんと自立しても欲しいんだ。わかるよ・・・!!一緒に泣こう!!(花との唯一のシンクロポイント)
雪
二児の母親としての花は確かに弟の雨の心配ばかりして、強い雪のことはほったらかし感がある。雪もそんなもんだと思ってる節があった。
ここに関しては、似た環境で姉だった私には、特に違和感がなかった。 「わたしは弟みたいに手がかかるガキじゃない、必要なもの(衣食住や遊び)はちゃんとある、親はわたしは大丈夫と信頼してほっといてくれてる、心配かけない程度にやればいい、それってむしろ楽で自由。」と多少の淋しさをごまかすのに、十分な理屈と数人の良い友達がいれば、たいしたことない。
そして、雪は(わたしもだったが)さっさと独立する。
でもちゃんと写真を送ったり連絡している様子だし、花とつかず離れずうまくやるんだろうね。いろんな現実と折り合いつけながら。
草平みたいにちゃんとこちらの目を見て話をしてくれる、自分をまっすぐ見てくれる人と出会えて良かったね。
以上、女尊男卑な日記でした。本当にごめん。 小説読もう。父親にも雨にも言い分があることを読んで、救われたい。